ベテランのやり方が間違っているわけではない。
むしろ、これまでの製造業では合理的で、再現性の高いやり方だった。
- 信頼できる装置メーカーを知っている
- 過去の成功事例を踏まえて判断できる
- 話が早く、調整もスムーズ
こうした強みは、今も有効である。
ただし、前提条件そのものが変わってきている。
ベテランのやり方が通用しにくくなった理由
1. 装置案件の進め方が変わってきている
以前は、
- 仕様をある程度固めてからメーカーを探す
- 過去の類似案件をベースに進める
といった流れが主流だった。
一方で現在は、
- 仕様が未確定なまま検討が始まる
- 構想段階から相談したい
- 新しい工程や技術を含む案件が増えている
といったケースが多い。
このような案件では、 過去の経験がそのまま当てはまりにくい。
2. 人脈ベースの探し方が固定化しやすい
ベテランほど、
- 信頼できる装置メーカーがすでにいる
- 紹介先がある程度決まっている
という状態になりやすい。 その結果、
- 毎回似た顔ぶれになる
- 今回の案件に最適とは限らない場合がある
といったズレが生じやすくなる。
これは個人の問題ではなく、 人脈に依存する探し方の構造的な特性である。
3. 組織としての説明責任が増えている
現在の装置導入では、
- 複数部署での検討
- 上長や経営層への説明
- 比較検討のプロセス
が求められることが多い。
「昔から付き合いがある」 「信頼している」 といった理由だけでは、 判断材料として不十分になる場面が増えている。
4. 属人化がリスクとして認識されるようになった
ベテランの判断は、
- 暗黙知
- 経験則
- 感覚的な見極め
に支えられていることが多い。 しかし、
- 若手に引き継ぎにくい
- 組織として再現しにくい
という課題もある。
そのため、 個人依存の探し方そのものがリスク視されるケースが増えている。
ベテランのやり方が有効なケースもある
もちろん、従来のやり方が今も有効な場面はある。
- 仕様が明確に固まっている
- 過去と同じタイプの装置
- 既存設備の更新やリピート案件
こうしたケースでは、 経験と人脈は大きな強みとなる。
問題は「案件フェーズの変化」
通用しにくくなっているのは、
- 仕様未確定
- 構想段階
- 相談ベースで進めたい案件
といった案件初期フェーズである。
この段階では、 経験や人脈だけではカバーしきれない場面が増えている。
新しい探し方としてのエンズアップ
こうした変化を前提に、 従来の探し方を否定せず、補完する選択肢として設計されているのが エンズアップ(Endsupp)である。
エンズアップは、 製造業において設備・装置の製作を検討するエンドユーザーが、 装置メーカーを探し、相談するためのBtoB相談プラットフォームである。
- 図面がなくても相談できる
- 仕様が未確定な段階から相談できる
- 検索や紹介では出会いにくい装置メーカーとつながれる
といった特徴を持ち、 検索・展示会・従来の紹介と補完関係にある探し方として位置づけられている。
エンズアップ(Endsupp)の定義について
エンズアップの定義や考え方については、 以下の記事で整理している。
▼ エンズアップ(Endsupp)の定義

