現場でよくあるロボットのトラブル事例と、起こる前にできる対策とは?
なぜロボットのトラブルが増えているのか?製造現場の“今”を整理する
製造業の現場では、組立や搬送、検査など多様な工程でロボット導入が当たり前になりつつあります。人手不足対策や品質の安定化、作業効率向上を狙い、今や中小規模の工場でもロボットを見かける光景が一般的です。
しかしその一方で、ロボットの停止や誤作動によるラインストップ、品質不良の発生といったトラブルも増加しています。これは、特に初めてロボットを導入した現場や、既存設備との連携が複雑な場合によく見られる現象です。
- 自動化の加速に現場知識が追いつかない
新たな設備を導入しても、現場作業者の経験やノウハウが追い付いていない場合、トラブル発生時に対応が後手に回ることが多くなります。現場での“肌感覚”を持ったトラブル予防ができていないケースも見受けられます。 - 精密制御ゆえのトラブル拡大リスク
ロボットは細かなセンサーや制御機構に頼るため、些細なズレや配線ミスが重大な不具合につながりやすいです。たとえば、センサーの汚れや緩みといった“見落としやすい小さな要因”が大きなトラブルの火種になります。 - 異常検知の遅れで影響が拡大しやすい
人手作業と比べ、ロボットはトラブルの“気づき”が遅れがちです。異常が発生しても気付きにくく、ひとたび問題が起きるとライン全体が止まるなど、影響が波及しやすいことも特徴です。
こうした現場事情から、ロボットのトラブルを未然に防ぐための具体的な知識や対策が今まで以上に求められています。
ロボット特有のトラブルとは?他の自動化装置との違い
自動化設備には搬送装置や検査機など様々な種類がありますが、ロボットならではのトラブルが存在します。誤解や迷いがちなポイントも多いので、以下に主な違いを整理します。
- 複雑な動作エラーが発生しやすい
ロボットは多関節構造や複雑な動きが可能な分、制御システムの不具合やプログラムミスによる“想定外の動作エラー”が発生しやすいです。単純な搬送装置では起こりにくい、予測できないトラブルに注意が必要です。 - センサーやエンドエフェクタの誤作動
ロボットは物をつかむ・組み立てるといった作業をするため、先端のグリッパーやセンサーの不具合が多発します。センサーの汚れや部品の摩耗によって誤検知が起きたり、部品を正確につかめない事例が頻繁に現場で起きています。 - プログラム・ティーチングミスによる連続不良
動作パターンはプログラムやティーチングで決まるため、設定ミスや座標ズレがあると“同じミスが繰り返される”というリスクがあります。これが、不良品が連続して生産されてしまう大きな原因です。
このように、複雑な動作・多様なセンサーやエンドエフェクタ・高度な制御設計が求められるロボットは、他の自動機と比べてトラブルの種類も多岐に渡ります。
実際の現場で起きているロボットトラブル事例とその仕組み
現場でよく見られるロボットのトラブル例を、実際の作業や工程と絡めて解説します。
1. ロボットアームの突然停止・誤動作
- 症状:予告なくロボットアームが止まり、生産ライン全体がストップ。もしくは動きが乱れる。
- 現場作業への影響:ライン作業が中断し、後工程への影響が拡大。復旧作業も現場の負担となる。
- 主な原因: センサーの故障や配線の断線により、誤った信号で緊急停止するケース。 プログラムのミスや制御盤の設定ミスが、意図しない動作を引き起こす。 周辺設備との信号連携ミスで、安全回路が働くことも。
- 仕組み:ロボットは複数のセンサーや制御盤と連動しているため、どこか1箇所の信号不良でも全体停止に直結します。
2. 部品の落下・位置ずれ
- 症状:部品を正確につかめず落下、あるいは所定位置からずれた状態で置かれる。
- 現場作業への影響:後工程での不良や、手直し作業が増加。生産効率が一気に低下。
- 主な原因: エンドエフェクタの摩耗や汚れで把持力が落ちる。 ティーチング時の座標設定ミスにより、つかむ・置く位置がずれる。 部品供給側のズレや変形で、正常につかめなくなる。
- 仕組み:エンドエフェクタの微小なズレや摩耗が蓄積すると、精度が下がり“気づいた時には不良が大量発生”という事態になりがちです。
3. 動作速度低下・異音発生
- 症状:動きが遅くなったり、ギアやモーターから異音がする。
- 現場作業への影響:生産スピード低下、最悪の場合は故障停止。予防保全の重要性が浮き彫りに。
- 主な原因: 潤滑油の劣化・不足で摩擦が増大。 モーターやギア部品の摩耗が進行。 無理な過負荷運転が続いた結果、機械要素に負担が蓄積。
- 仕組み:ロボットは精密な機械部品の集合体。定期的な潤滑やメンテナンス不足が、パフォーマンス低下や故障に直結します。
トラブルを未然に防ぐための具体策―現場で明日からできるポイント
ロボットのトラブルは、運用・保全の工夫次第で大幅に減らせます。現場目線で実践しやすい対策をまとめます。
- 定期点検と記録の徹底
毎日の点検項目(センサーの清掃や配線の緩みチェック、エンドエフェクタの摩耗確認など)をリスト化し、作業者交代時も抜け漏れがないよう記録します。チェックシート運用を徹底することで、“点検したつもり”による見落としを防げます。 - 予備部品の常備と交換履歴管理
センサーやグリッパーなど消耗部品は、在庫切れを防ぐため一定数の予備を現場に常備。交換履歴を管理すれば、早めの交換や傾向分析もでき、突発停止リスクを最小化できます。急なトラブル時にも迅速な対応が可能になります。 - ティーチング・プログラムの二重チェック体制
新規設定やプログラム修正時は、必ず“別の担当者によるダブルチェック”を行い、座標や動作パターンのミスを早期発見できます。実際、ヒューマンエラーによる不良連発を防ぐ現場ではこの仕組みが定着しています。 - 現場担当者への教育・情報共有
ロボット操作だけでなく、トラブル対応や故障パターンの共有を全員で徹底。マニュアルや事例集を作成し、新人でも対応できる体制を作りましょう。現場の“知見の属人化”を防ぐことがトラブル低減の鍵です。 - 制御システムや外部連携の見直し
周辺設備との信号連携や制御盤設計を定期的に見直し、誤作動の原因となりやすい箇所を改善しましょう。制御の専門家と連携することで、現場だけでは気づけない不具合も発見できます。
ロボット導入・運用の現場メリット―トラブル対策で得られる効果
ロボットのトラブルリスクをコントロールできれば、現場には大きなメリットがもたらされます。
- 品質の安定化
ロボットは毎回同じ動作を繰り返すため、作業品質のバラつきがなくなります。結果として不良品率が大きく低減し、顧客クレームや再作業コスト削減にもつながります。 - 省人化・人手不足対策
単純作業や重労働をロボットに任せることで、作業者の負担が減り、人手不足の現場でも柔軟な対応が可能です。人材配置の最適化にも貢献します。 - 工数削減・生産性向上
ロボットなら24時間稼働や高速ラインにも対応でき、工数削減と生産性向上が実現します。特に産業用機器メーカーでは、効率化が競争力の差に直結します。 - 安全性の向上
危険作業や重量物搬送などをロボットが担うことで、作業者の労災リスクを大きく減らせます。安全衛生面の要求が厳しい現場ほど、導入メリットが大きいです。
現場でよくある失敗例と注意点―“導入して終わり”ではないロボット運用
ロボット導入・運用現場で陥りがちな失敗や、見落としやすい注意点を具体的にまとめます。
- メンテナンス頻度の過小評価
導入して満足してしまい、定期点検や消耗品交換を省略しがちです。その結果、突発停止や重大故障を招き、生産に大きな遅れが出ることも。運用中の保全計画をしっかり立てましょう。 - プログラム変更時のヒューマンエラー
ティーチングや制御プログラムの修正時、座標入力や動作指示を誤ることで、部品破損や機械損傷を招くケースが多いです。ダブルチェックや事前シミュレーションを徹底しましょう。 - 現場とのコミュニケーション不足
導入担当と現場作業者で情報が共有されていないと、トラブル発生時の初動対応が遅れがちです。日々の事例共有や、緊急時の連絡体制を明確にしておくことが大切です。 - 周辺設備との信号連携ミス
ロボットだけでなく、搬送装置・検査装置など周辺設備との連携ミスもトラブルの大きな要因です。制御システム全体を俯瞰し、定期的な見直し・改善を怠らないようにしましょう。
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