トレイストッカーの基本――どんな現場で役立つのか?

製造現場では、部品や製品をトレイに載せて搬送・一時保管する工程が頻繁に発生します。たとえば、組立前の部品をまとめてストックしたり、検査後の製品を次工程まで一時的に保管したりする場面です。こうした場面で活躍するのが「トレイストッカー」です。

似た装置に「棚型ストッカー」や「自動倉庫」がありますが、トレイストッカーはトレイ単位での入出庫・搬送に特化している点が特徴です。多品種少量生産や、段取り替えが多い現場で特に重宝されています。

機械としての構造――トレイストッカーの仕組みと特徴

トレイストッカーは主に以下のような構成で成り立っています。

  • ストック部(ラック・棚): 複数枚のトレイを上下または横方向に収納するスペースです。トレイのサイズや収納枚数は現場の運用に合わせて設計されます。
  • 昇降・搬送ユニット(リフター・シャトル):トレイを自動で出し入れするための装置です。モーターやリニアガイドで上下・左右に動き、指定されたトレイを取り出します。
  • 入出庫ゲート:トレイの受け渡しを行う場所で、作業者やロボットがトレイの出し入れを行います。安全センサーやインターロックも装備されることが多いです。
  • 制御装置:トレイの位置や入出庫順序を管理し、搬送ラインや他装置との連携も可能です。

トレイストッカーの特徴は「トレイ単位での自動入出庫」と「省スペース・高密度保管」の両立です。手作業や棚型ストッカーでは難しい、迅速な入出庫や搬送ラインとの自動連携が実現できます。

トレイストッカー導入による現場改善効果――棚型ストッカー・自動倉庫との比較

  • 省人化と作業効率の向上:トレイの入出庫が自動化されるため、作業者の手間やミスが大幅に減ります。棚型ストッカーでは人手が必要だったピッキングや積み下ろしも、トレイストッカーなら自動で完結します。
  • 省スペース・高密度保管:トレイを縦方向や横方向に高密度で収納でき、同じ面積でより多くの部品や製品を保管できます。自動倉庫ほど大規模でなくても、現場に合わせた柔軟な設計が可能です。
  • 搬送ラインとの自動連携が容易: 昇降・搬送ユニットや制御装置により、他の搬送機械や組立装置とスムーズに連携できます。工程間のワーク搬送や仕掛品の一時保管に最適です。
  • 多品種・段取り替え対応力の強さ:トレイごとに品種やロットを管理できるため、段取り替えや多品種少量生産にも柔軟に対応できます。現場の生産変動にも強い仕組みです。

導入前に知っておきたいトレイストッカーの注意点

  • トレイ形状・サイズの統一性:トレイの形状やサイズがバラバラだと、昇降・搬送ユニットでの詰まりや搬送不良の原因になります。導入前にトレイの仕様統一や、サンプルテストを必ず行いましょう。
  • 設置スペース・搬送ラインとの取り合い:ストッカー本体や入出庫ゲートの設置場所が、他の設備や搬送ラインと干渉しないか事前確認が必要です。構想段階で現場寸法を正確に把握し、全体のラインバランスを検討しましょう。
  • 制御設計・シーケンスの複雑化:トレイの入出庫順や搬送タイミングの制御が複雑になる場合、誤動作やトラブルにつながりやすいです。制御設計やシミュレーションを十分に行い、運用テストも欠かせません。
  • 清掃・メンテナンス性の確保:トレイやラック部に粉塵や異物が溜まりやすいので、清掃しやすい構造や、メンテナンスのしやすさも重視しましょう。

構想段階から、エンズアップで解決

トレイストッカーや搬送機の導入・設計では、トレイやワーク特性、現場レイアウト、既存設備との取り合いなど、検討すべきことが多岐にわたります。自社だけで進めると、後から設置や運用トラブルが発生しやすいのが現実です。

そこで、エンズアップの活用を強くおすすめします。

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トレイストッカーや搬送設備の導入・改善でお悩みの方は、まずはエンズアップにご相談ください。専門家の知見を活用し、現場の業務改善や生産性向上を実現しましょう。